ネオ管巻きの場

日記テイストに、思った些細なことを表明するブログです。

なぜ性癖を語るのか

前回での宣言通り1か月以上という長き間が空きました。
何とか当記事も飽きずに書きます。


今回は、
私があれこれオタッキー嗜好を一々言葉に起こしたくなるのは何故か

というところについて考えていきます。(いつも通り本の受け売り8割で)

タイトルは「性癖」としましたが、別にマンガ等への「ココが好き!」という語りも含みます。

 

1.気持ちが良いから

 

大体この1文で終わりです。1と書きましたが2はありません。

補足ですが、勿論私が性的嗜好を語っているときに性的快感を覚えているわけではありません。

 

 

1-1.受け売り元紹介

これだけだと寂しいし、本の受け売りをして努力を誇示し心的余裕をゲットすることも出来ないので語ります。

今回受け売りしたい本は、ミシェル・フーコー著「性の歴史Ⅰ 知への意志」です。

知への意志 (性の歴史)

知への意志 (性の歴史)

 

私はフーコーさんを、独自の歴史分析から様々な社会思想を放つ人だとイメージしてます。この本もそれに沿った雰囲気です。

舞台は概ね17世紀から20世紀のヨーロッパとなってます。

西洋の歴史から得た思想が日本社会に通用するかは不明ですが、私は大体鵜呑みにします。

性の歴史と言いましても、セックス技法図鑑みたいな感じではなく「性」を人間はどう扱ってきたかといった話が中心です。

 

 

概要を述べたいのですが、大変内容が難しい。

1文1文が長く、3,4行に及ぶ文の最後の数文字「ではない」によって大変踊らされました。

この時ほど日本語の語順を恨んだときは無かったでしょう。

そんな本書の中で個人的に印象に残ったトピックだけ自分の印象モリモリで挙げてみます。

本の内容はいらんぜという人はこちら

 

 

①「性の言説化」(例えば自身の性行動を言葉にしたり文字として記録したりなど)

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懺悔なんか好例

この言説化は、決して「法律や権力によって性行動が制限されてきたから」という抑圧から生じたものではない。

それは「性的欲望の装置」(異常性癖の分類や夫婦・女・子どもの性的役割を決めること)という、諸権力が整備した環境によって作為的に&積極的に生じたものである。

 

社会「女性なら家庭内でこういう役割果たすよね??」

女性「それに従うの疲れた無理!!」

社会「はい、君ヒステリ~w、ヒステリーの症状書きま~す」

とか

社会「シコって無駄打ちするの禁止!!」

子ども「してんのバレた…」

社会「キタ━(゚∀゚)━!、症例として記録しま~~す」

ってなって

社会「異常な性行動の裏にはどんな精神が絡んでいるのやろなあ…ワクワクテカテカ」

みたいな感じです。多分。

 

社会側が正しい性行動を定めると同時に、異常な性行動も定める。

さらに「性」は秘密にされるものだとし、そこに真理が秘められていると(実際に秘めているかはともかく)人々に思わせ、それによって人々は積極的に言説化へ動いたという話です。

多分この真理への意志が副題の知への意志なんじゃないですか。(投げやりしたいがち)

あと抑圧からじゃない云々というのは、「抑圧を感じる云々の段階で既に権力の手のひらの上だよ」ということだと思います。抑圧に原因を押し付けるのは不適切だってフーコーは言っていた気がします。

この責任逃れする論調たまりませんね。

 

 

②「知としての快楽」

以下抜粋

「我々は新しい快楽を発明する能力はないが、(中略) 快楽の真理を知り、それを明るみに出し、発見する快楽はある

抜粋ここまで

一番興奮した部分です。

要するに「エロいな」って感じたときの身体的反応は毎度変わらないのですが、「○○がエロいな」って発見すること自体には何らかの快感があるってことだと思います。

まさしく!まさしく…!

 

 

③「貴族らによる自らの性の管理」

特権階級の人々は「自らが開発した権力と知のテクノロジーによって自分自身の性に地位を与え」た、とのこと。

 

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貴族「高貴な私は、自分の性をも地位のあるものにしたい…」

という「ナルシストか?」な勢いで性的欲望の装置を構築したそうです。

貴族「庶民どもは性欲を管理できてないが、私はできてまっせ^^」

ってプライドを満たしたとか。

ところがここで生まれた装置を、人口調整、疫病防止、労働力の確保という観点で庶民へお下がり。

庶民も性欲のコントロールを始めたため貴族はマイノリティ感がなくなります。

そこで

貴族「禁忌を作って庶民を縛る。庶民はその束縛からくる苦しみを日々意識しなければいけない一方、俺らは精神分析によってそこから解放できる。」

といった具合に差別化。医者とゆっくりカウンセリングできるのは貴族ぐらいだったんでしょう。

今回中心的な概念である「性的欲望の装置」は元々ブルジョワジーのものだったというお話です。

 

大体以上。

この他「性の自然学から性の論理学へ」「性という概念は性的欲望の装置を構成するために作られた幻想」といったトピックも面白かったです。

 

1-2.気持ちの良さ詳細 

ようやく本題

もう大体私が言いたいことは上にのってます。

人の意見を鵜呑みにするの大好き~。

 

正直上で力尽きたので箇条書きで。

もう2000字くらい書いちゃってますもん。

①「性癖を語ること」自体がインフォーマル、公にすべきでないと感じる雰囲気の中で言説化すること

②どこに自分の心が盛り上がっているのか見つけること

③自分の嗜好を把握し、あわよくばマイノリティが故のちっぽけな優越感を、深くまで理解したつもりになっての高揚感を覚えること

④下らないことを一生懸命考えること

⑤ネット上で見られる性癖語り先駆者の後を追った気分になること

上全部が楽しいです。

①~③までは上の話と対応させています。

④と⑤は100%フーコー受け売りだと残念なのでそれとなく加えたものです。

④はシンプルな作品、くだらないシチュエーションほど燃える感触があります。

見つけること見つけ終えたこと見つけ終えた事柄を表現すること

全て良し

もう骨の髄まで楽しさが見いだせている感じです。

 

1-3.ハマった要因+証左

これに私がハマった要因としては、

・貴族ばりの自分大好き精神

・語る対象にズッポリ傾倒できる環境

があるのではないでしょうか。

その環境がなかったらこんなに長文を書いていないですし、魔のエロゲ・アニメ感想wordファイルは生まれなかったことでしょう。

そして今後それから脱したら同じ情熱を持っているかは怪しいです。

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 アニメにハマっていたころ綴った感想。この他にエロゲ版があるwordファイルは文字のみなら1万字ほどで30kbに到達します

これ見ると毎回美味しんぼの「○○を1年間溜めたコラ」を思い出しますね。

 

1-4.嗜好語りへの接し方

今回あれこれ考えてみて思いますところは、他人が書く「○○だから好き」理論も「自分が気持ち良いから」として書いている節が多分にあるのではないかということです。

特にtwitterとかブログとかね。

そこで主張したいのは、

恐らく「自分が好きと思う箇所の正否を議論したい」

よりも

「好きなところを言って気持ち良くなりたい…」

の方が強いだろうということです。

ここに外野から突っ込むことの無粋さ。

好き/エロいの表明に首を突っ込んではならないと言いたいのです

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ネットで有名なこういうやつ

もちろん「俺が絶対正しいの!!!!」といった論調や虚偽は見直す余地があります。

また、仲間内や議論を目的とした掲示板においても話が変わります。

「仲間内なら」というのは、内の人間が聞ける形(例えば現実での会話)で発信したとするなら、それは受け手からの反応を流石に考慮しているだろう、ということです。

 

ただ自分の嗜好をひっさげ、目をぎらつかせ噛みつく先を探すのはいかがなものか、向こうは多分自分が気持ちよくなりたいだけなんだぞ、そういう話でした。

 

 

1-5.まとめ

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 「sex free photo」で検索したら出てきてどこかに貼りたかったので貼る。

簡単にまとめます。

  • 嗜好を語ることは、語る内容を見つけること、それを文字化すること、語ること、の全てにおいて楽しさを見いだせる。
  • 語る背景には少なからず自尊心、プライドといったものの存在があるだろう。
  • 楽しく語っているところに”外野から”突っ込んで嗜好を否定するのはNG

といった感じです。

あと個人的なところで言えば、フーコーの本読んだよっていう自己顕示ですね。

このブログで記事を書く上でかなり根本的なトピックだったので、自分なりに満足のいく形に書けて良かったです。

 

 

※あとがき的な

「これを書いてからあれを書いて、そしたらあれも書きやすくなって…」と妄想は激しくはかどっているのですが、何よりもその第一歩をいつまでも踏み出さない状態です。
だから「何とか気合入れて書くぞ…」と毎回なっているわけです。

現在も既に3つ下書きがたまっています。

ちなみに今回一番時間をかけたのは貴族の画像を探すところです。「意地でもいらすとやは嫌だ…」の精神で探しました。そのくせ見つけたのは王族のイラストですけどね

1冊だけという偏った情報であれこれ書くのはまさしくブログ然としていて良いですね。。

あとランス10は大体クリアしました。さらに2周くらいは遊べる余地がありますが多分やりません。