ネオ管巻きの場

日記テイストに、思った些細なことを表明するブログです。

ウマの歪み

ウマ娘は今もなお勢いが絶えないコンテンツです。
しかしゲームリリースから1年半近くたとうとする現在、そのゲーム性は多くの歪みを抱えています。
ここではそれについて書いていきます。

ウマ娘のゲーム版は2021年2月にリリースされました。
当初は最適化が楽しい育成やハートフルでスポ根なシナリオで圧倒的なスタートダッシュを切ったゲームです。

さてそんなウマ娘の現状はどうなっているでしょうか?

メインは対人戦

コンテンツの中心にあるのはチャンピオンズミーティングと呼ばれるPvPイベントです。
育成の方は徐々にインフレが進み、生半可なPvE、つまりNPCを相手取るコンテンツはほぼ勝ち確定の作業コンテンツとなってしまいました。
つまりもう骨があるコンテンツは人が育てたウマ同士で戦わせるくらいしかないのです。

ではそのPvPイベントの質はどうか?
ここにウマ娘歪みが凝縮されています。
今回はそれを大きく3つに分けました。

歪み1:解析に頼りたくなるマスクデータの多さ

レースにおいて重要となるのがステータスとスキルです。
特に育成のインフレが進むほどステータスは頭打ちとなるので、どのスキルを習得させるかは重要です。

しかし
スキルの発動条件と詳細な効果が分からない
という問題があります。


例えばこのスキルの「わずかに上がる」ってどのくらい?というように。

そして効果量だけでなく発動タイミングも重要です。
このゲームには法定速度のようなものがあり、ウマ娘はそれに合わせて走ります。
現在法定速度MAXで走っているのに加速力が上がっても意味はないのです。
逆にスキルには効果時間もあるので、遅いときに法定速度引き上げても意味がないまま元の法定速度に戻ってしまいます。

そんなスキルの詳細がゲーム内では分からないのです。

さらにレース中には特殊な状態があります。
ペースダウンモードや下り坂モードですね。
地形やウマ同士が特定の位置にいるとき発動します。
この詳細もゲーム中では分かりません。

さらにこのゲーム、レース場ごとにボーナスパラメータがあります。
特定のパラメータが高いと速度が上昇します。
どのパラメータを上げればいいかはレース場、距離ごとに異なります。
今回のPvPイベの舞台となった東京1600mであればスタミナと根性です。
そんな概念もゲーム中では分かりません。

?????

現状これらの情報を理解するには、解析と思われる情報をネットで探すのが一番となってしまってます。
例えばU-tools(ウマ娘攻略ツール集)など。

解析は一般に褒められた行為ではないので、Youtuber等は解析を伏せて解説したりします。

「(ソースは明示しないけど)皆さん、この〇〇は××ですよ!」
といった論調で。
はたから見て異常です。
天啓を得たシャーマンか?

歪み2:キャラ格差&スキル格差

スキルに有効か無意味かという概念があるので、無意味になりやすいスキルは弱スキルとなります。
一方安定して有効に働くスキルは強スキルです。


複数あるコーナーのうちどこか1つで発動する曲線のソムリエは、ほとんどが加速度を上げても無駄なタイミングで発動します。
最終コーナーで発動すればコース次第では…といった感じ。
コーナー4つなら有効発動率は1/4以下ですね。


中盤に加速度を上げるくじけぬ精神も、本当に中盤の終わり際に出れば有効ですがそれ以外は無駄です。
9人中2~5位くらいをキープする先行なのに発動条件が後ろの方なのも弱いです。


一方の直線一気は必ず終盤の直線で発動するので有効になりやすいです。
終盤の前半がずっとコーナーなコースでなければ有効です。
そのため屈指の強スキルとされています。

ここで注目してもらいたいのはスキルの色です。
金色のスキルは白色スキルの上位です。
習得にはまず白色スキルを獲得し、さらに金色を獲得する必要があります。
スキルptと呼ばれるポイントを払ってスキルを獲得しますが、金色は白色の倍はポイントが必要なのです。
にも関わらずその性能は上で言った通りです。
取りあえず金スキルだし強いだろ!
という思いで習得すると何も習得しないのと変わらない場合があるです。

解析データを知らないと少し損をするゲームは珍しくないです。
しかしここまでスキル性能に雲泥の差があるのは歪みです。
本当に令和のゲームか???

 

もちろんこのようなスキル格差は各キャラの必殺技とも言える固有スキルにもあります。


終盤のコーナーでのみ発動するアングリングスキーミングは逃げウマ娘の必需品となっています。


水着スペシャルウィークの固有は回復しかしないのに効果量少ないし、この文面なのに順位条件があるなど屈指の弱スキルです。
褒めるところが可愛い以外ないです。

固有スキルは基本的に金スキルの1.5倍ほどの効果量です。
そこにキャラ格差があればそもそも土俵に立てないキャラが生まれてしまいます。

おかげさまでPvPイベでは似た編成のお祭りです。

3月のPvPの画像です。
左端が自分で、相手は全員違う人です。

クリスマスオグリキャップ(5戦目の2位など)があふれています。
実装されたウマ娘は衣装違い含め80近くいます。
これは少し極端な例ですけどね。

歪み3:育成の運要素と所要時間

上のような要素を理解することは適当にネットあさればできます。
そこができたらいざ育成をしていきます。
まずは
今回のPvPで強そうなスキルの想定
↑が取得できそうなサポート編成の模索
レース場にあった目標ステータスの設定
など…

サポートも色々あるのでこの段階は楽しいです。

 

問題はこれからです。
育成イベントの上振れ待ち
ここが非常に厳しい。
スキル取得は基本的にランダムイベント経由です。
必須級のスキルが取れなかったらやり直しです。

そして何よりも厳しいのが距離適性Sランク。
これは3年間の育成で2度だけある因子継承イベントで上げられます。
この距離適性は上げるほどスピードに補正が乗ります。
スピードのカンストが前提の今、距離適性Sも必須なのです。
下手したらスキルより替えがききません。

現状2回目の継承イベントで上がらなかったらその育成はボツです。
イベント中など育成の完走に意味がある期間以外はその時点で中止です。
因子の相性もありますが、上がる確率は体感5割くらいです。
ちなみに距離適性でステータスの上限突破することはマスクデータです。
あと因子相性の詳細もマスクデータです。

もちろんステータスもポンポンカンストできるわけではありません。
ランダム配置されるサポートウマ娘が偶然同じ練習に集まってくれた時だけステータスが爆上がりします。
このランダム配置ガチャを何度もくぐり抜けて上振れさせるのです。

その他育成中のレースも運負けしてこちらのストレスを溜めてくることもあります。

 

さて、そんな修行僧がやるような育成ですが現環境では1育成に50分かかります。
集中してテキパキやっても40分はいきます。

50分???
全くのボツになる可能性もありで???

 

🤔🤔🤔………

 

大人をなめるなよ???
いや学生もなめているだろこれは

この運ゲの先に待つ理想個体のためにガチ勢は1日3,4時間はウマに捧げているのです。
これを歪みと言わずなんというのか。

 

最終地点にあるのも運

残念なお知らせです。
上で書いた過酷なハードルを越えた先にあるのも運ゲーです。

PvPイベントは予選こそ上で貼った5連戦のように数をこなして成績を決めます。
しかし決勝は1回勝負なのです。
予選で勝率100%であっても、5割切ってても決勝の走りだけで最終報酬が決まるのです。

そしてこの報酬は取り逃したらまず取り直す機会がないです。

そんな後に引けない戦いなのに、残念ながらウマ娘のレースは運が絡むのです。
賢さをMAXにしてもスキル発動率は100%じゃありません。
スキルの発動位置もほぼランダムです。
他のウマの位置次第で発動するものもあります。

頼りにしていた強スキルが不発
一方で2割くらいで有効になるスキルがさく裂
なんてなったらひっくり返ります。

毎日数時間プレイして、運の上下にイライラして育成した先にあるのがこれか…?

 

以上がウマ娘歪みのあらましです。

ライト層はマスクデータの嵐で隠された要素に気づかずさっぱり勝てないこともあります。
キャラゲーとして始めても、好きなウマが固有の性能で一線級になれない場合もあります。

そして勝って当然なぐらい前のめりで攻略してしまうガチ勢にも、容赦ない運ゲーストレスを与えるのです。
ガチ勢が毎日数時間捧げた成果を運のイタズラでメチャクチャにするのです。
「努力が実らないこともある」なんて現実では言いますが、それは現実だけでいいのです。
作為的に作られたゲームの中までそんな悲しみを反映しないでほしいです。

 

(編集後記)
今回これを書いたのは以下の戦績の自慢と、後の記事の伏線のためです。

ぐちぐち書きましたが、自分はイライラしない範囲でウマ娘緩く遊んでいます。


幸いよく使うマヤノトップガンが金&固有スキルどちらも優秀なので軽い縛りプレイみたいな感じで遊んでます。


アリエス杯では終盤直後にノンストップガールと一番星という強スキルが光ったのでグレードA勝てました。
マッチング運ももちろんあります。

今月のジェミニ杯も勝てました。
これもマッチング運とシチーの固有+ニシノフラワー継承固有が光ったので勝てました。


逃げ・追込以外話にならないとよく言われたコンディションでしたが、何とか先行マヤノも頑張ってくれました。

「ダメでもともと」の精神で行けば決勝も不快じゃないです。
一番悲しいのは報酬のためにわざとグレードB決勝まで落ちて、本来なら優勝していたグレBの戦士を蹂躙することですから。
グレA最下位の方がまだいいです。
育成も適当にhulu見ながら回して、上振れた時だけテンション上げて
「祝え!!新たなる王の誕生を!!!」
って言いながら完走するのがたまりません。
最悪やる気が起きないレース条件なら1か月休むこともできます。

 

 

※ウマの細かい仕様について

本編に載せようとしましたが長すぎてボツにした文です。
興味ある人だけどうぞ

まずウマ娘のレースがどういった要素によって決着するか見ていきます。
ウマ娘のレースにおいて重要な概念は主に3つです。

・出力可能な最高速度
・現在の速度
・現在の加速度
これらはウマ娘のスキルやパラメータによって変化します。

主に
スピードで最高速度
パワーで加速
です。
他ステータスに関しては後ほど。

「速度が上がる」系のスキルは最高速度を上げます。
「加速力が上がる」系のスキルは加速度を上げます。
そして(現在の速度)<(最大速度)の場合、加速度に応じた上がり方で現在の速度が上がります。

ここまではぎりぎり公式からの情報で理解できます。

問題はここからです。
まずレースには
序盤・中盤・終盤
前半・後半
の概念があります。
前者はコース全長の1/3毎に切り替わり、後者は50%で切り替わります。
1800mのコースならラスト600mは終盤であり後半です。
これは文言から得られるイメージに合っているのでなんとなくで分かります。

ここで重要なのが序盤・中盤・終盤で最高速度が変わるということです。
特に序~中盤はステータスにほぼ依存しない低い値なのに対し、終盤はステータスに応じた高い値に一気に変わります。
終盤になっていきなり法定速度が跳ね上がるのです。
つまり周りと差をつけるなら
終盤の高い最高速度にいかに早くなるか
終盤の最高速度をいかに高くするか
(終盤までにいかにバ群を伸ばしておくか)
というところに終始します。

ここで出てくる概念が以下で述べる終盤接続です。
なお、この終盤の速度に関する情報は公式からほとんどないです。

皆が目指す終盤接続

上のような仕様を踏まえると、結局速く走るには
・終盤突入時点で現在の速度が速い
・終盤突入時点で加速度が高い
なことが重要です。
更新された最高速度にできるだけ早くたどり着きたいので。

つまり重要になるスキルは
中盤終わり際の速度スキル、加速度スキル
終盤直後の加速度スキル
です。
そして前者を発動させ圧倒的なアドバンテージで終盤に突入することを終盤接続と呼びます。
基本的に勝ちたい場合は終盤接続するスキルを探すことになります。
一番狂っていた接続スキルは全長2000mにおけるクリスマスオグリキャップ固有です。
これは残り777mに発動するスキルをトリガーに発動するので、発動すれば確実に接続します。
上で上げたクリオグリばかりの5連戦の画像はそういう背景があります。

 

次にそのスキルについて見ていきましょう。
ウマ娘にはそれぞれ必殺技と言わんばかりの固有スキルがあります。
発動時には演出も入り、これは勝ちにつながるだろうという雰囲気です。

それではその固有スキルの説明文を見てみましょう。


自分がよく使うマヤノトップガンの固有スキルです。
「直線で抜け出しやすくなる」とありますが、これは速度と加速度どちらをあげるのでしょう?
正解はどちらもです。

次にタマモクロスの固有です。

こちらも「稲妻の如く駆けて行く」とありますが、中身は速度と加速度を上げるものです。

最後に看板のスペシャルウィークの固有です。

こちらはご丁寧に両方上げることを明記してくれています。

 

ここまでくると、「なるほど、よく分からん書き方しているのはどちらも上げるんだな」と分かると思います。

では発動条件についてはどうでしょう?
マヤノの固有に「前の方で競り合う」
スペシャルウィークの固有に「前の方で相手を抜く」
とありますが、この「前の方」の意味は同じなのでしょうか?
答えは違います。
マヤノの方は1~3位、スペの方は全体の上位50%という意味です。

?????

最後に効果量です。
速度と加速度両方上げると言いましたが、その効果量はどのウマ娘もおなじでしょうか。
もちろん違います。
速度の上がり方で言えば
スペ=タマモ>マヤノ

加速度は
マヤノ>スペ=タマモ
です。
これを文面から推察できる人はエスパーです。

このようにウマ娘は固有スキル1つをとっても非常に分かりにくいゲームになってしまっています。

 

下り坂モードとは、下り坂にいるとき賢さステータスに応じた確率で下り坂モードに入り、スタミナの減少を抑え速度も上げるという状態です。

こんなものはゲーム内ヘルプのどこにも出てきませんし、そもそも各レース場のどこが下り坂かも明言されていません。

今年3月のチャンピオンズミーティングのコースとなった阪神3200mは長距離+コンディション悪でスタミナがシビアな状況になりました。

そこでこの下り坂モードがフィーチャーされるわけなんですが、こんなん普通に遊んでいたら分からんだろ。